最近、テレビアニメ化された『ドルアーガの塔』について語る。 思えばゲームにガチハマりするキッカケが、このゲームであった…。
小学校4年生まで、我が家にはファミコンが無かった。 友人の家で遊ぶ事はあっても、我が家にあるゲーム機はゲーム&ウオッチだけであった。
ちなみに、ゲーム&ウオッチの存在を知らない若い方も大勢おられると思うので説明すると、ゲーム&ウオッチというのは、1980年に任天堂が発売した携帯型液晶ゲーム機である。他社もこぞって類似商品を作って売ってた。お母さんがファミコンもセガもMSXも全て一緒くたに「ファミコン」と呼ぶように、SONY以外のポータブルプレイヤーを「ウォークマン」と呼ぶように、任天堂の純正品以外のLSIゲームや電子ゲームも「ゲームウォッチ(商品名は「ゲーム&ウオッチ」。オが大きいのは誤植じゃないぞ)」と呼んでたのだ。 ちなみにゲームの内容は、本体内臓のROMに書き込まれており、ソフト交換は無い。 ゲームをしない時は時計として使え、それが名前の由来でもあるが、他社の類似品では時計機能が無いものも多かった。
しかし、小学校4年生の誕生日に、遂に我が家にもファミコンがやってきた。その時に最初に買ったソフトがナムコ(現バンダイナムコゲームズ)『ドルアーガの塔』であった。
『ドルアーガの塔』は、当時インカム(稼ぎ)の落ちていた『マッピー』のROM交換で低コストでゲームを開発出来ないか、という事で作られた実験的なゲームであった。 ゲームクリアに必要なアイテムの出し方がマニアックで、難易度が非常に高かった。しかし、メーカーの予想を超えたヒット作になり、ファミコンにも移植されたのである。 アイテムの出し方があまりに難解なため、ゲーム攻略本が多様に作られ、ミニコミ誌の発展、ゲーム攻略本は売れるという認識を世間に広めた。 (『ドルアーガの塔』研究室様内「邪神の啓示」が詳しい)
当時の俺は当然、そんな事は知る由も無く、ファミコンソフトの1タイトルとして遊んだ。
今とは別の時間、別の世界のお話です。 人々は神を敬い、王は愛と戦いの女神イシターに仕える巫女を重用し、政治に信託を反映していました。 そんな信心深い王国のために、空の神アヌは、天上界に「ブルー・クリスタル・ロッド」を置いて、その輝きが、王国の隅々までいきわたる様にしました。 もともと女神イシターの持ち物であるブルークリスタルロッドの輝きは、人々に愛と平和をもたらしました。 しかし、この噂を伝え聞いた帝国が突然王国に攻め入り、王国は滅ぼされてしまったのです。 帝国は王国の男達を奴隷にして、天上にあるブルークリスタルロッドに届くような塔を造り始めました。 塔が高くなるに従って、その陰となり、王国にはブルークリスタルロッドの光が届かなくなりました。 王国は不安に満ち、犯罪が横行し、しかも恐ろしいことに、女神イシターとの戦いに敗れ、ブルークリスタルロッドの光に封じ込められていた悪魔「ドルアーガ」が復活してしまったのでした。 ドルアーガの復活を知らぬアヌ神は、帝国の不信心を戒めるため、雷(いかづち)を使って塔を崩してしまいました。 人間たちに愛想を尽かした神々は、天上界高くに引き籠ってしまいました。神々の加護のなくなった王国はドルアーガの天下となり、ドルアーガは、その魔力で塔を修復し、天上界からブルークリスタルロッドを盗み出し、アヌ神の雷に撃たれた帝国軍の人々を、モンスターに甦らせて塔の中に放ち、ブルークリスタルロッドを 隠して塔に立て籠もりました。 王国の王子であった「ギル(ギルガメス)」と、王家の巫女であった「カイ」は恋人同士でした。 ギルは塔を建てる人夫(にんぷ)として働かされていましたが、塔が崩されたとき、岩の下敷きとなり負傷してしまいました。秘かに王国の再建を目指す二人を、ただ一人残って見守っていた女神イシターは、神々に見放されても神を敬い続けているカイに、魔法のティアラ(冠の一種)を授け、ドルアーガを倒すために塔へ遣わせました。 しかし、カイはドルアーガの前に、囚われの身となってしまったのです。 恋人を失ったギルの嘆きは天上界のアヌ神にも届き、アヌ神はギルに、勇気を力に変換する黄金の甲冑を与えました。 ギルは、カイを救い、平和のシンボルであるブルークリスタルロッドを天上界に戻すため、ゴールドナイトとなってドルアーガの塔に挑んで行くのです。
当時はまだ珍しかったファンタジーRPG風世界観にすっかりヤラれた俺は、常に関連グッズを持ち歩き、関連書籍を読み漁った。カンペンケースや鉛筆、消しゴム、ボードゲームも買った。
当時はゲームブックブームだった事もあり、ドルアーガの塔を題材にしたゲームブックも出版されていた。 勁文社から出ていた北殿光徳/スタジオハード『ドルアーガの塔 外伝』の他に、東京創元社の創元推理文庫スーパーアドベンチャーゲームとして出版された鈴木直人『悪魔に魅せられし者』、『魔宮の勇者たち』、『魔界の滅亡』のドルアーガ三部作が存在した(現在、鈴木直人ドルアーガ三部作は『魔宮の勇者たち』まで創土社から復刊されている)。 どちらもボロボロになるまで遊んだものである。
さて、かように魅了された原因を考えると、やはり物語性の高さであると思う。 元来、水木しげる御大や日本昔ばなしの影響で妖怪や民話に興味があり、国内外を問わず民話や神話を読んできた俺にとって、まさにビビッとくる内容だったのである。 この後、『Wizardry』や『ドラゴンクエスト』、『ファイナルファンタジー』、『指輪物語』、TRPGに傾倒していく要因として、このゲームの存在はあまりに大き過ぎた。 そんな訳で、『ドルアーガの塔』というゲームは俺のルーツなのである。
…そういや、ファミコン版のステージセレクトの裏技のコマンドで左右を覚えたので、小4まで右と左が覚束無かった俺が、左右の区別がつくようになったのも、このゲームのおかげだったりするw (;´∀`)
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