【ダンス】ダンス義務教育化への懸念と資格に関するはなし

かつてストリートダンス普及委員会というダンスDVDの企画と連動して、ストリートダンスの普及と啓蒙、ダンサーの地位向上を目指して、検定とか企画した事がある俺が言うのも何だけど、やっぱりダンスと検定ってのは合わないね。

中学校でダンスが義務教育化するってのは数年前からずっと聞いていて、いよいよ施行される運びとなったんだけど、これにあわせてなのか、企業や団体がダンスインストラクターの資格検定を準備したりしている。
で、こうした企業や団体は「中学校のダンス義務化が始まる云々」という文言を入れてはいるが、「資格を取る=中学でダンスを必ず教えられる」とは何処にも書いていない。
持ってようが、持ってまいが(今のところ)関係無いようにしか見えない(後々は知らないよ。あくまでも現状は、って事)。

で、彼らの言う「持ってると学校で教えられるかも知れないよ?」的なアオリ文句を好意的に解釈して、資格を取ったら学校で教えられるとして、少し考えてみようと思う。

まあ、学校も行政だから、文科省の息のかかった団体の資格を持ったダンサーじゃないと受け入れたくない的な流れがあるんだろう事は想像に難くないのだが、資格ってものが無かった先生たちも持たないとダメなの?とまず疑問に思ってしまう。
ダンサーとしての技量が一般人にはわかりづらいから、という理由であれば、経歴を見ればよい。
○×ダンスコンテスト優勝だとか、○×ダンスバトル優勝だとか、そういう経歴を持ったダンサーの方が、どこぞの団体の検定に受かったという事よりも、よっぽど説得力があると思うのだが。
また、人格上の懸念云々(所詮ダンサーなんて海のものとも山のものともわからない)というのであれば、これは全く意味が無い。
学校の先生が生徒に破廉恥な行為をしたりしてるニュースの多い事を考えれば、何処の誰に何が認められようが、人格は見抜けない。たとえ役人のお墨付きだろうが、関係無い。
つまり、学校は素直に地元にあるダンススタジオの先生に依頼する、というのが一番スマートだ。

今までスポーツクラブでダンスインストラクターもしてきて思っていた事を書くけど、エアロとかヨガとかの先生は資格を持っていないとなれなかったり、定期的にワークショップなどを受けたりしていて大変だなあと思っていた。
ダンスのインストラクターには資格が必要無い(無かった、と書くべきなのか?)。
と、言うのは、ダンスを教えられる技術が無ければ教える事が出来ない、特殊クラス扱いだったからである。
ダンスの先生ってのは促成栽培出来るものではない。
何故ならば、ダンスは簡単に定義付け出来るものではないからである。
音楽や落語の定義付けが難しいように、ダンスも決まりがあるようでいて、無い。無い様でいて、ある。
こうした感覚はある程度続けなければ得られる感覚ではないし、好きじゃないとわからない。
ましてや、ダンスの基礎を指導して、振付を創って教えていける人がどれだけいるか。
フィットネスのクラスの中には、予め指導内容が決められているプレコリオというものがあるが、ダンスのクラスの場合、インストラクターが独自に指導内容を創り上げなければならない。
ダンスの先生ってのは一朝一夕でやれるもんじゃないのである。

別に自分たちを誇りたい訳じゃ無い。
早い話が資格さえ取れればなれるという状況が許せないだけである。
プライドの問題だ。

俺の偉大なる先輩たちや仲間たちを莫迦にされてしまうようで悔しいから、怒りすら覚える。

俺たちのやってきた事は資格検定ごときと比較出来るような安いもんじゃない。
好きなダンサーの模倣から基礎を学び、独自に編み出してきた芸能である。
受け継いできた魂がある。
直接習っていなくたって師と崇めてスピリットを繋いでいる自負がある。
そうしたものを、資格検定を準備している業者や団体はわかっているのか、甚だ疑問に思う。

先達たちに対してあまりに失礼だし、これからダンスの先生を目指す子たちを食い物にしようという了見が気に喰わねえ。


ダンスの上手い下手ってのは評価が非常に難しい。
実際問題、現状のダンスコンテストだって美大の受験と同じで、ぶっちゃけジャッジする審査員の好き嫌いで判断されている。
これが数十人、数百人を一度に審査するとなると、ある一定の水準を設ける必要が出てくるが、その基準に合わなければダメなダンサーか?という問題が当然出てくる。

数値化出来ない物事をランク分けするって、誰のどういう基準なのか?
ダンサーには個々のスタイルがある。それらをどうやって審査出来ると言うのか?

ダンスは絵と同じで、感性によって好き嫌いが激しく分かれるものだ。
そんなものに基準なんか設けられるわけが無い、というのが20年間踊ってきた人間の一人としての感想である。
まあ、だからずっとダンスバトルとかに出なかったんだけどね(出ている人たちをディスってないです。むしろ尊敬してます。でも、俺自身は「俺の出る場所ではない」と感じるので出なかったのです。個人的にはサークル作ったりして遊ぶセッションとかはむしろ大好きです)。

リズム感だけ良くてもダメ、技術だけ上手くてもダメ。
どっちも余り無いんだけど、妙な魅力がある人だっているし。
一概に何をもってよしとするか、決めきれないものである。
喩えるなら、ピカソの絵とゴッホの絵、どっちが上手いか?というようなもんだ。
ある一定のレベルに行ってしまうと、後は単純に好き嫌いでわかれる。主観でしか評価し難い。

今までダンスの統一した資格が存在しなかったのには、それなりの理由があったのである。

ダンスに正解は無い。
生き物のように有機的に結合したり、精度が高まっていってまた新しいものが生まれたり。
それを検定するってちゃんちゃらおかしい。

明確な基準を設けるのだとするならば、それこそ全てのダンサーが「ああなるほどね」と納得出来る内容でなければ認められないし、それは事実上不可能だ。

ダンスって理屈じゃないじゃない。
必ずしも技術だけじゃない、奇妙な魅力や、おかしさも評価されているものだし。

こんな曖昧模糊としたものを、初級だ上級だと分ける意味がわからない。
教えてる先生の主観で分けるのは理解出来るが、外部による基準が設けられる事には反対だ。

資格検定を推進しようとしている連中を見ていると、どうも企業や文科省の天下り団体がダンスを金儲けの対象としてしか見ていないようにしか思えない。

ダンスに資格なんて必要無い。

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>>とおりすがりさん

ホント、税に関しては中学辺りで教えとくべきだと思います。

勉強って、教育って何だろう?と思わずにはいられません。

ダンスの義務教育

nirimitsuさんのいうとおりだと思う。支持します。

ダンスがいい悪いでなく、そもそも生活していくうえでほかに大事なことが、あるだろう。税の確定申告などはその通りだと思う。
優先順位のつけ方、価値感覚がだいぶずれている。

No title

義務教育で教えておいた方がいい事なんて他に幾らでもあるだろうと言いたい。

例えば、納税のしくみ。
進学せずに、サラリーマンにならない子は、いきなり独学で確定申告をやる事になるんだし、損益計算書の貸借対照表の読み書きを教えた方がよっぽど人生の役に立つと思う。

例えば、政治のしくみ。
政治に無関心な若者が増えているというけれど、だったら義務教育で教えてしまえ、と思う。
この政党は過去にこういう方向性の活動をしてきましたよ、というのがマズいのであれば、選挙のしくみを教えたりすればいい。
選挙に行く=生活が変わるという大まかな部分でいいから子供の頃からやっといた方がいいと思う。

例えば、英語の授業の強化、第二外国語として中国語の授業。
現行の日本の英語の授業はテスト向けの文法ばかりで無意味なので、日常会話程度が出来るレベルまでの英会話、そして中国語を学ばせた方がダンスを義務教育化するより、よっぽどいい。
中国人観光客が急増している今、商売上の理由もあるが、トラブルに見舞われる可能性も増えるので、相手が何を喋っているのか理解出来た方が安全だと思うので。

そして、日教組は猛反発するだろうが、日本史の強化は絶対やるべきだと思っている。
下らない石器時代はさておき、現行ではすっ飛ばされてしまう事が多い近代~現代までをしっかりと勉強するべき。
日本という国の成り立ち、大切さを子供のうちから学ばせる事は、ひいては国家の地盤を固める大切な教育だと思う。
同時に自虐史観は撤廃すべき。
プロフィール

Author:NORIMITSU
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東京生まれ。
幼少の頃、マイケル・ジャクソンの『スリラー』を観て衝撃を受けるが、持ち前の引っ込み思案が災いし、「(ダンスは)自分には無理」と諦める。
小中学校でドップリ「オタクカルチャー」にハマるが、音楽には元々興味があった為、バンドを組もうと思うようになり、ジャンケンで負けてベース担当になる。
中学卒業直後、高校入学直前に先輩たちの自主公演を観劇し感激。演劇部と音楽部(合唱部)に入部する事を固く決意する。
「10年生になったら友達100人出来るかな?」をスローガンに男女問わず声をかけまくる、いわゆる高校デビューを果たす。
バンドは「音楽性の違い」というありがちな理由で解散。ヴォーカリストを目指す。
突っ立ったまま歌うとなると、まるで橋幸夫さんのようなので、ダンスを習う事にする。
trfのSAMさんに憧れていたのだが、ダンススクールや俳優養成所でジャズダンス(某金融ショップのCMでおなじみのジャンル)とバレエを習う。
俳優養成所のダンスの先生の公演出演を通じ、立教大学のダンスサークル「St.Paul's Musical Company(現・D-mc)」に所属。
20歳の頃、SAMさんの踊ってるダンスジャンルがハウスだと知り、愕然とする。
急遽、ストリートダンスに路線変更。座右の銘は「急がば回れ」。
ダンスチームを結成してクラブイベントに出たり、ダンスの仕事をしたりして、24歳の頃にダンスインストラクターとして、ダンススクールやスポーツクラブなどでクラスを持ち、ストリートダンスを教えるようになる。

現在、落語家「三遊亭楽天」として全国各地で落語の口演を行っている。
2012年8月、六代目三遊亭円楽に入門、「楽天」と命名される。
2015年10月、「楽天」のまま二ツ目昇進。



【主な芸歴】
日本ジャズダンス芸術協会『秋の祭典』出演

H.S.ART第二回公演『BLUE』主演

東京ディズニーランド「ミッキーのダンスフィーバー」TVCM出演

テレビ東京系『RAVE2001』5thステージに「YUJI+BANRI+NORI」として出演

鈴鹿8耐前夜祭『RIDE & LIVE』TRFライヴバックダンサー出演

フジテレビ系『SMAP×SMAP』出演

お台場どっと混む!2002『遊城』Dur mollライヴバックダンサー振り付け・出演

テレビ東京系『BEATOPIA』DT CRUSH!出演

劇団東京ミルクホール公演振り付け洋舞担当

自主制作DVD『ストリートダンス ヨクワカルDVDマガジン REAL STREET』企画・振付・出演・ストリートダンス普及委員会委員長・特典小冊子「ストリートダンスがよくわかる本」執筆

SONY 50時間連続再生MP3プレイヤー 50時間連続ダンスキャンペーンダンサー

フジテレビドラマ『トップキャスター』出演

映画『バックダンサーズ!』出演

氣志團『The アイシテル』PV出演

東京ガールズコレクション 2007 AUTUMN/WINTER DJ OZMAライヴバックダンサー出演

他多数



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