【ダンス】役者にとってのダンス
役者さんはプロダンサーレベルのダンスを求められなくても、ダンス技術を求められる事がある。
それは役柄や仕事の内容にもよるが、身に付けて損にはならないし、むしろ強力な武器となる。
何故なら役者もダンサー同様、肉体的表現者であるからだ。
体捌きというか、所作にも上手い下手がある。
歩く姿や、仕草が汚いと舞台ではかなり悪目立ちする。演技力は勿論、全ての動作をコントロールする力が必要になってくる。
かつて、振り付けをした事がある劇団の演出家さんに
「今回は振り付けじゃなくて、動き方を指導して欲しい」
と頼まれた事がある。
役者さんたちが椅子から立ち上がったり、歩く姿などを見てアドバイスをするのだが、身体に染み付いた動きは一朝一夕には直せない。普段から身体を動かし慣れる事が必要だ。
どのダンスも極めていけばそういった効果が得られるから、趣味として始めて、好きこそものの上手なれ、でスキルを向上させていくのも一つの手だと思うし、ダンスに対してそこまでの思い入れが無く、とりあえず仕事的に有利になる「道具」として割り切るのも一つの手だと思う。
役者の道具として有効なダンスジャンルはズバリ、JAZZ DANCE、HIPHOP、そしてPOPPIN'である。
何故ならば、全身をくまなく使う事がわかりやすいジャンルだからである。
LOCKIN'は動きが独特過ぎるし、HOUSEはステップ重視になり過ぎて上半身が弱い。
BREAKIN'もかなり強い武器だが、即効性に欠ける。ある程度やれば振り付けが揃えられるジャンルの方が、即効性がある。
そうなると、やはりJAZZ DANCEやHIPHOP、POPPIN'になる。
首、肩、胸、腰、腕、足と全身を使って動く事を実感しやすいのは、やはりこの3つだと思うのだ。
JAZZ DANCEは昔ながらの古臭いものの方がいい。
HIPHOPも90年代半ばのスタイルを、POPPIN'も昔から踊っている長い人に習うのがいいだろう。
流行りのスタイルは基礎が弱い事があるからだ。
むしろ基礎を固める事のみ念頭に置いて臨む事で、かなり信頼性の高い道具を手に入れられると思う。
メリット、デメリットとしては、
昔ながらのJAZZ DANCEのメリット…ダンスが絡む仕事で登場する頻度が高い、所作が美しくなる
デメリット…リズム感が身につかない、JAZZ DANCEのクセがつく
90年代HIPHOPのメリット…ダンスが絡む仕事で登場する頻度が高い、リズム感が身につきやすい
デメリット…姿勢が悪くなりやすい
POPPIN'のメリット…筋肉を緊張・弛緩させたり、スライド系の動作が多い為、芝居に取り入れやすい
デメリット…いかんせん地味なので、初めのうちは面白みに欠ける
…という事が挙げられるだろう。
まぁ、何事も本人が興味を持たずに続ける事は苦痛以外の何物でも無いが、仕事の道具としてダンスを分析すると、概ねこうした傾向にあると思う。

