【ダンス】特定の音だけ聴く練習
例えばいくら探しても見つからなかったものが、さっき探した場所から出てくる事がある。
ちょっとオカルトかぶれの人は霊の悪戯だとか、北欧でも「トロルが隠してた」とか言うが、実際は物はずっとそこにあったんだけど、見えてなかった、という理屈である。
そんな馬鹿な、と思うかも知れないが、人間の感覚なんてそのくらいルーズで、眼が脳に伝えてないんだか、脳が認識してないんだか、見えない事ってのは実際よくある話なのである。もちろん、眼以外にも耳とか鼻とかもそうである。
また、逆に凄ぇ高性能なのは、耳が特に顕著なんだけど、聴きたい音だけ拾って聴ける。
街中で録音した音をその場で再生すると雑音が凄くてビックリするはずだ。
同じ場所にいながらにして無意識に不要な音をシャットアウトし、情報量を減らし、処理しやすくしてるのである。
例えば電車のアナウンスはわざと変な喋り方をしている。
「えぇー、次はぁー、いいーだばっすぃー、いいーだばっすぃー、JR線、都営大江戸線、南北線、有楽町線ご利用の方はぁ、お乗り換えでぇすー」
こんな奇妙なアナウンスはわざとなんである。
何故なら混雑した車内でも、違和感を感じる日本語が聞こえてくると、思わず耳が拾うからだ。
本当は実に様々な音が鳴っているにも関わらず、我々の耳が拾わない音もあるのである。
次の駅や乗り換えなど、乗客にとって必要な情報を確実に伝達する為に、わざと変なイントネーションで発音しているのだ(最近は録音した女性の声の場合もあり、若干寂しい)。
さて、前置きが長くなってしまったが、音楽好きな人や楽器演奏経験者以外は音楽を聴く時に楽器のパートだけを抜き出して聴いたりしていないと思う。
例えば一般的な4人編成のロックバンドはヴォーカル、ギター、ベース、ドラムという内容だ。
ヴォーカルだけ、とかギターだけを拾って聴く事はしているだろうが、ベースだけを拾って聴く、という事をしている人は実に少ないと思う。
それは日本の音楽業界事情による。
ハウスにしろ、ヒップホップにしろR&Bにしろ、欧米の音楽は重低音を効かせるミックスをするが、日本ではまずヴォーカルありき、なのである。
これは歌謡曲の文化が根強い為、日本人の好みとして重低音、特にヴォーカルを強く、ベースを低く設定したミックスをしてしまうからだ。
ジャズやファンク、ソウルなどの黒人音楽を聴くと、まずベースありきと言っても過言では無いくらい、ベースが活き活きしている。
このスイングしたり跳ねたり、うねったりする骨太のベースを知ってしまうと、黒人音楽の影響を受けていない白人や日本人の音楽が中身スカスカの薄っぺらなものに聴こえてしまうくらい、自分の中で音楽的革命が起こってしまう。
単調なベースばかり聴くとベース音痴になってしまうのだ。
特定の音だけ意識して聴くようにして、その音にハメて踊ってみると、いわゆるカウント踊りじゃなくなってくる。
また、振り付けをする際に音に合った振り付けをしよう、と思うようになってくる。
リズムばかり追いかけているとカウント踊りになりやすい。
メロディーラインや楽器の音を拾って踊るのも楽しい。

