立教大学と俺

19、20歳の頃、立教大学にあったダンスサークル「St.Paul's Musical Company(通称:M研)」に所属していた。
元々はその名の通り、ミュージカルのサークルだったのだが、徐々にダンスのサークルになったらしい。
俺が参加した頃、サークルのメンバーは十数人という、小規模なものだった。

今はどうだか知らないが、M研は大学から認可を受けていない自主的な集団であり、他の大学の学生や俺の様な学生以外の参加者もいた。

池袋西口公園にある芸術劇場の周囲で閉館後に踊ったり、近所の小学校の教室を借りたり、学内にあるウィリアムズホール(通称:ウィリホ)などで練習していた。
俺が参加した当初はジャズダンスがメインだったが、徐々にストリートダンスの希望者が爆発的に増えた。

今でこそ昔話に聞こえるかも知れないが、あの当時(15年くらい前)は確かに、「ジャズダンサーによるストリートダンス蔑視の時代」だった。
曰く、「遊びの踊り」
曰く、「姿勢が悪くなる」
曰く、「基礎がなってない」
曰く、「すぐに廃れる」
などなど、かなり批判的な意見を受けていた。
まぁ、いつの時代も新しく出てきたものに対する風当たりは強いものである。
人は、得体が知れないものを本能的に避けたがるものだ。
今でこそ、ストリートダンスをテレビで見かけない日は無いくらいになったが、あの当時はまだ、歌番組のバックダンサーはジャズダンサーが殆どだった。
10年一昔と言うが、ダンス界においても10年という歳月は長いものだ。
歌番組のバックダンサーは、ストリートダンス主体になると、あの当時、思っていた人はごく僅かだったろう。

M研もまた、その時代の流れに翻弄されようとしていた。

サークルの部長が替わった時、正に「政権交代」が起こったのだった。
「これからは、ダンスのサークルに。名前も『D-mc』とする」
かくして、St.Paul's Musical CompanyはD-mcと名前を改め、現在に至る。
ちなみに、D-mcのmcとは「Musical Company」の意味である。

ダンスのジャンルもストリートダンスがメインとなり、D-mcと名称が変わった当時、ジャズダンスを踊る子の人数が大幅に減少した。

M研の頃は、まだ演劇的要素を多分に残しており、公演はダンスと芝居が半々くらいの割合で行われていたのに対し、D-mcになってからは、完全にダンスの公演となり、ダンスの演出の一つとして、簡単な芝居、もしくは事前に撮影された動画を流すようになった。

あの当時から現在も、何故か大学のダンスサークルの公演は小芝居が挿入されたりするのだが、あれはこの時代からそういう流れがあったからだと思う。

D-mcは関東大学学生ダンス連盟∑に参加しており、他大学との交流も盛んだが、特にこの当時は青学のADLや東京理科大のAQUARIUSなどと繋がりが深く、相互に影響を与え合っていたものと思われる。
ちなみにADLは昔からプロの演出家さんがついており、公演はストーリー仕立てのものが殆どである。

たまに大学のダンスサークルの公演を観に行く事があるのだが、いまだにあの当時と変わっていない舞台を観ると、20歳の頃にタイムスリップをしたかのような、奇妙な既視感を覚える。

しかし、参加者の人数は圧倒的に今の方が多い。
普通に数百人規模なんてサークルも珍しくない。
ダンスもメジャーな存在になったんだなぁ、と感慨深いものを感じる。



俺はD-mcと名が変わった後、きちんと脱退の意思は表明しないまま、段々とサークルから疎遠になっていった。
もちろん、同期や後輩たちと仲が悪くなった訳では無いし、むしろ仲のいい友人が多く在籍している集団だったのだが、なんとなく顔を出さなくなり、足が遠のいたのだった。

その頃、しばらくはウィリホの三階で個人的にダンス指導などを行っていた。
当時参加していた、よさこいソーランの「東京学生 生っ粋」で知り合った他大学の後輩や、当時の彼女にハウスを教えながら、ダンス指導のノウハウを自分なりに模索していた。
それが、後々今の仕事に結びつくのだから、ウィリホには足を向けて寝られない。

ウィリホと言えば、M研時代に怖い体験もしたのだが、詳細はここでは語らない。
詳しくはコチラ。 → http://dancernorimitsu.blog94.fc2.com/blog-entry-365.html



M研やD-mc以外にも、お世話になったサークルがある。
演劇研究会(通称:劇研)である。
劇研とM研は、かねてから交流があり、劇研のナカタニさんや、同い年で後にダンスチーム「OFF THE LOCK」として一緒に踊ったタニー(谷口浩久)らとは特に仲良くして貰った。
互いの公演時には手伝いをするような間柄で、かつ、俺はナカタニさんの舞台のファンだったので、一緒に立て看板を組んだり、大道具をこしらえているときなんかに話せるのが凄く嬉しかった。

あるとき、ナカタニさんから
「のりちゃん、今度ワークショップをやるんだけど、役者の動きを見てやってくんない?」
と声をかけてもらった。

それから、ナカタニさんが主催するt-floorというユニットに振り付けとして参加させてもらい、「演出家さんの持っているイメージを動きで表現する」という事を学んでいった。
今考えると、東京ミルクホールさんの振り付けも、演出の佐野さんから伝えられたイメージを形にする作業なので、ここでの経験が生きていると言えよう。



あの頃の立教大には、本当にお世話になったなぁ、としみじみ思う。
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Re:

> 1985年、当時のM 研にいた者です。
>
> M 研はなくなったのですか?

コメントありがとうございます!

M研は僕らの代でD-mcと名称が変わりまして、このD-mcとしては現在も活動しています。
http://web.me.com/susiesfunfactory/

1985年、当時のM 研にいた者です。

M 研はなくなったのですか?
プロフィール

NORIMITSU

Author:NORIMITSU
※当ブログからのテキスト、画像などの無断転載、無断使用を禁じます。


東京生まれ。
幼少の頃、マイケル・ジャクソンの『スリラー』を観て衝撃を受けるが、持ち前の引っ込み思案が災いし、「(ダンスは)自分には無理」と諦める。
小中学校でドップリ「オタクカルチャー」にハマるが、音楽には元々興味があった為、バンドを組もうと思うようになり、ジャンケンで負けてベース担当になる。
中学卒業直後、高校入学直前に先輩たちの自主公演を観劇し感激。演劇部と音楽部(合唱部)に入部する事を固く決意する。
「10年生になったら友達100人出来るかな?」をスローガンに男女問わず声をかけまくる、いわゆる高校デビューを果たす。
バンドは「音楽性の違い」というありがちな理由で解散。ヴォーカリストを目指す。
突っ立ったまま歌うとなると、まるで橋幸夫さんのようなので、ダンスを習う事にする。
trfのSAMさんに憧れていたのだが、ダンススクールや俳優養成所でジャズダンス(某金融ショップのCMでおなじみのジャンル)とバレエを習う。
俳優養成所のダンスの先生の公演出演を通じ、立教大学のダンスサークル「St.Paul's Musical Company(現・D-mc)」に所属。
20歳の頃、SAMさんの踊ってるダンスジャンルがハウスだと知り、愕然とする。
急遽、ストリートダンスに路線変更。座右の銘は「急がば回れ」。
ダンスチームを結成してクラブイベントに出たり、ダンスの仕事をしたりして、24歳の頃にダンスインストラクターとして、ダンススクールやスポーツクラブなどでクラスを持ち、ストリートダンスを教えるようになる。

現在、落語家「三遊亭楽天」として全国各地で落語の口演を行っている。
2012年8月、六代目三遊亭円楽に入門、「楽天」と命名される。
2015年10月、「楽天」のまま二ツ目昇進。



【主な芸歴】
日本ジャズダンス芸術協会『秋の祭典』出演

H.S.ART第二回公演『BLUE』主演

東京ディズニーランド「ミッキーのダンスフィーバー」TVCM出演

テレビ東京系『RAVE2001』5thステージに「YUJI+BANRI+NORI」として出演

鈴鹿8耐前夜祭『RIDE & LIVE』TRFライヴバックダンサー出演

フジテレビ系『SMAP×SMAP』出演

お台場どっと混む!2002『遊城』Dur mollライヴバックダンサー振り付け・出演

テレビ東京系『BEATOPIA』DT CRUSH!出演

劇団東京ミルクホール公演振り付け洋舞担当

自主制作DVD『ストリートダンス ヨクワカルDVDマガジン REAL STREET』企画・振付・出演・ストリートダンス普及委員会委員長・特典小冊子「ストリートダンスがよくわかる本」執筆

SONY 50時間連続再生MP3プレイヤー 50時間連続ダンスキャンペーンダンサー

フジテレビドラマ『トップキャスター』出演

映画『バックダンサーズ!』出演

氣志團『The アイシテル』PV出演

東京ガールズコレクション 2007 AUTUMN/WINTER DJ OZMAライヴバックダンサー出演

他多数



【お問合せ】
nori.school@gmail.com
※文章についてのお問い合わせなど、こちらからお送り下さい。

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